マジなコンサルタントによる中小企業診断士試験対策ブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役の”マジなコンサルタント”が、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルスキルをベースに、独自の分析に基づく極めて有用な情報、世に出ていないテクニック論的な情報を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【1次試験】”経営情報システムが重要科目である”と筆者が考える理由(中編)

前回の記事(コチラ)では、中小企業白書2016年版を用いて、IT投資は中小企業経営が稼ぐ力をつける上で極めて重要なファクターとなることを簡単にご説明した。

今回は中編として、ITが中小企業の稼ぐ力になぜこれほどまで影響を与えるのかについて書こうと思う。



さて、中小企業白書2016年版では、「稼ぐ力」の指標として経常利益率を取り上げている。前回の記事の再掲になるが、以下の通りである。

中小企業を取り巻く環境


上図にも記載されている通り、ITが中小企業の「稼ぐ力」にプラスの影響を与えるためには、「売上拡大」か「費用削減」が必要である(もちろん両方でもよい)。したがって、ITが中小企業の稼ぐ力へ与える影響の要因を特定するためには、「売上拡大」もしくは「費用削減」に対するITの効果を導出すればよいことになる。


それぞれに対して、参考までにベタな例を2例ずつ挙げてみよう。

<売上拡大>
・ECサイトを構築することによる、取引時間の制約の排除や場所の制約を超えた商圏の拡大
→ここはみなさんよくご存じであろう。実店舗を持たずとも製商品を販売できるので、取引時間や場所の制限がないということである。

・CRM(Customer Relationship Management)システムを活用した顧客情報管理の強化
→顧客接点において収集した情報を統合管理するソフトウェア。顧客の年齢、性別、趣味、嗜好などの個人情報や購入・利用履歴、クレーム等の問合せ履歴等のデータを管理する。このようなデータがあれば、RFM分析に基づくDM送付やFSPの推進等が可能になる。

・SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)システムを活用した営業情報管理の強化
→ひょっとしたらテキストに出ていないかもしれないが、一応押さえておいた方がよいと思う。要は、「顧客情報」「活動情報(営業日報)」「商談情報」をデータベースで管理することで、営業管理職(部長や課長)がそれらの情報に基づいて営業マンの活動をサポートするためのソフトウェアである。情報がデータベースで統合管理されるので、顧客への訪問件数、営業案件の件数や商談情報に基づく売上見込の管理の集計・レポーティングが容易になるというメリットもある。
※「おいおい、今でさえアルファベット3文字に悩まされているのにさらに増やすのか!」と怒りを覚えたあなた。経営情報システムを勉強しながら気づいているとは思うが、アルファベット3文字は略語ではない英語で覚えておくと記憶に残りやすい
CRMであれば、Customer(=顧客)、Relationship(=関係性)、Management(=管理)、つまり「顧客関係性を管理する概念」と覚えておけばよい。SFAであれば、Sales(=営業) force(=力) Automation(=オートメーション)、つまり「営業力強化をオートメーション化しようみたいな概念」と覚えておけばよい。このように覚えることで、いざ出題されたときもさらっと答えられるはずである。テキストに載っている例で言えば、例えば記憶素子でEPROMとEEPROMが紛らわしいする。その時に後者は”E”が1つ多い理由を見てみると、この”E”がElectrically=電気的を指すことがわかる。なので、後者はEが1つ多いから電気的にデータ消去、前者は紫外線でデータ消去すると覚えておけばよい。



<費用削減>
・業務オペレーションの効率化による時間外労働時間削減(人件費(≒残業代)削減)
→ここ分かりやすいだろう。要は手作業で行っていた業務を自動化すれば、その分業務時間は短縮されるので、時間外労働時間が削減されるということである。なぜ”時間外時間”とわざわざ筆者が書いているかというと、作業がなくなったからといって社員を辞めさせることはできず(不当解雇に該当する)、いくら業務が効率化されても時間内労働に伴って発生する賃金は固定費として残り続けるためである。
※ここを勘違いして投資対効果を算出しているシステム屋さんが非常に多い。

・原価管理の強化による製造原価削減
→財務・会計に関わる論点である。財務・会計のテキストで原価計算の方法を勉強していると思うが、そもそも、材料費・労務費・経費の情報と在庫の受払情報を製品別(製造指図別)に把握できなければ、原価計算自体を行うことはできない。中小企業の場合、表計算ソフトで原価計算をしている企業が多いので、業務が属人化したり(要はその人がいなくなったら誰も代わりができない)、原価計算業務が非効率になっている点は知っておいてもよいだろう。

上記は一例であるが、IT活用により実現する「売上拡大」「費用削減」のイメージはこのような感じである。



さて、ここらで少しIoTの話をしておこうと思う。

なぜいきなりIoTなのかというと、「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」においても、「第四次産業革命に向けてIoT等の活用や経営力向上に資する革新的ものづくり・商業・サービスの開発を支援」と書かれているので、出題されてもおかしくないと筆者が勝手に思っているからである。まあ、筆者が経営情報システムの試験委員の思想を全く理解できない時点で、実際に当たる確率は極めて低いとも思うわけだが…(笑)。


IoTとはInternet Of Thingsの略で「モノのインターネット」と呼ばれる。簡単に言うと、「ありとあらゆるモノ」がインターネットにつながることを言う。つまり、これまでインターネットにつながるモノはパソコンやスマートデバイス中心であったが、IoTではそれに限定されず、それこそ冷蔵庫や洗濯機、車もインターネットにつながる世界のことである。IoTと聞くと「難しそうだな」と感じる人もいるかもしれないが、単に「モノがなんでもインターネットにつながるよ」と言っているだけであり、非常にシンプルな話なのである。

それでは、IoTが中小企業の経営にどのようなインパクトを与えるか、中小企業の経営改革事例をもとにイメージをより持っていただこう。

以下は中小企業庁が平成28年11月14日に出した資料からの抜粋である。
製造・サービス分野のIoT・データ活用事例


上記資料のリンクはコチラであるが、1次試験を目前に控えた読者は中身を見ている暇などないだろう。なので、今回は筆者がざっくりと要約する。


◆生産設備の稼働情報の見える化による生産管理(武州工業株式会社)
・スマートフォンなどの端末に内蔵されている加速度センサーを通じてデータ収集し、作業状況を見える化
・生産用機械の摺動部装着した端末を通じてデータ収集し、生産性を見える化
→つまり、生産用機械にセンサーとなる端末を取り付けてデータ収集し、生産設備の稼働情報の見える化をしたということ。生産設備の稼働情報が見える化すれば、生産管理は強化される。

◆作業環境情報を収集・分析できる製品(金型)の開発(株式会社岐阜多田精機)
金型内にセンサーを埋め込み、成形時の温度や振動、圧力等のデータを計測しうるスマート金型の開発により、成型の品質や信頼性を向上
→つまり、製品である金型そのものにセンサーを埋め込むことで情報収集し、製品品質を高める取り組みを始めたということである。

◆機器の稼働情報の遠隔監視によるメンテナンス機能強化(株式会社オー・ド・ヴィ)
スーパーマーケット等に設置する自動販売機にモジュールを取り付け、機器の稼働状況を遠隔監視し、自動販売機の稼働率上昇や顧客満足度の向上、メンテナンスの省力化
→IoTを活用した稼働状況の遠隔監視により、自動販売機の稼働率が上がれば販売機会損失の防止やCS向上ができるし、メンテナンスに係る負荷も減って業務効率化が図れるということである。

◆受注情報、生産管理情報の共有による連携受注体制の構築(株式会社今野製作所/株式会社西川精機製作所/株式会社エー・アイ・エス)
①見積もり及び受発注データを管理出来るシステムを連携企業と共有化、②生産管理システムにより連携企業間で工程進捗把握、③顧客用Webポータルサイトを通じた問い合わせ対応、図面データ授受、見積もり履歴記録等を実施
→中小企業間で受注情報を共有し、連携生産。繁閑格差を平準化 を目指したということ。IoTと言われると?なのだが、2次試験の事例Ⅲで今にも出題されそうな内容である。経営資源の制約がシビアな中小企業にとって、それをカバーするための外部組織との連携は非常に重要である。その意味では、なぜIoTの事例として取り上げられているのかが筆者にはわからないが、すくなくとも中小企業におけるIT活用の好事例と言えるだろう。

◆顧客の製品利用情報の収集による新商品の提案(まくら株式会社)
枕に内蔵した端末を使い、就寝時間、起床時間、寝返りの回数といった睡眠情報を活用し、データに基づいた商品の提案を行うなど、革新的なサービスを立ち上げ、枕販売の事業を拡大
→IoTを活用したデータ収集により他社と販売面で差別化したということである。この取り組みは顧客の囲い込みにつながり、他社へのスイッチングコストを高める効果があるだろう。

◆顧客情報のスタッフ間共有による顧客に応じたサービスの提供(株式会社陣屋 )
センサを導入し、共用風呂の入浴者数を測定した清掃頻度の最適化、顧客の行動を予想してレストランでの待機することなど、顧客の好む環境を再現し提供している
→IoTを活用し、顧客満足度の向上を図っているということである。

◆園児の生体情報の自動チェック等による保育士の業務支援(株式会社陣屋 )
経験の浅い保育士でも園児を安全に見守ることができる保育園向け業務支援を、スマートフォン/センサー/ロボット等のテクノロジーを駆使することで実現。
→具体的なものかは本資料だけではわからないが、かなり進んだ取り組みのようにも思える。要は、従業員の経験の浅さをテクノロジーでサポートしているということであろう。

◆従業員の動線等情報の分析による人材育成・業務効率化(がんこフードサービス株式会社/産業技術総合研究所)
屋内測位端末を通じて従業員の「立つ」、「座る」、「加速」、「減速」などを記録し、生産性が高い従業員とそうでない従業員の作業の差の違いを認識して、人材育成に活用。また、時間帯ごとの作業負荷を調査し、業務の運営が混乱しやすい時間帯を特定し、運営の方法改善している。
→IoTにより、従業員の生産性向上や店舗運営管理の強化を図っているということである。



どうだろうか?

ここで筆者の経験に基づいて一言。

これは中小企業に限らないことなのだが、「ITを単なる事務処理効率によるコスト削減の手段」と考えている経営者が非常に多い(もっと言えば、中小企業診断士にも多い)。上記の例を見ていただければおわかりいただけるが、ITは単なる自動化によるコスト削減のみに目的が限定されるわけではない。もしあなたがこのような考え方をしているのであれば、ITに対する考え方を180度転換するべきである。
上記の事例企業を見ていただけるとわかるが、ITを活用して抜本的な経営改革を実現している。もちろんITは事務処理効率の手段としての側面もあるが、あなたがマジなコンサル診断士を目指すのであれば、それ以上に製商品やサービスの高付加価値化による他社との差別化という点を意識してほしいのである。


今回の内容は以上である。

これだけの中小企業におけるIoT活用事例を見た受験生は、実務で行っている人を除けば、きっと本ブログの読者くらいである。経営情報システムで万一IoTが出題されたとしても、きっとあなたは大丈夫だろう。
※筆者の私見だが、上記のような素晴らしい事例があるのだから、経営情報システムの試験委員はこのような事例に基づく正誤問題を出題してもよいのではないか?と思う。


さて、本連載も次回で終了である。


次回は、IoTとその他の最新のIT技術の全体像をご説明しようと思う。診断士試験の試験委員は比較的時事ネタが好きなので、そのための対策になればと思う。
※このような試験直前期にも関わらず、今回のような一見して試験に直結しなそうに見え(実際はそうではないと筆者は思っているのだが…)、かつここまで長い記事を最後まで読んだあなたは、きっとマジなコンサル診断士の予備軍だと思う。


マジコン診断士


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【1次試験】”経営情報システムが重要科目である”と筆者が考える理由(前編)

”経営情報システムが重要科目である”と筆者が考える理由”について、筆者のコンサルティング経験や知識に基づいて書いていこうと思う。とは言いながらも、1次受験生の読者には筆者の主張を読んでいる時間等ないはずなので、本年度の1次試験に少しでもプラスになるように筆者なり工夫して書こうと思うので、最後までお付き合いいただきたい。なお、今回の記事はその前段として、「ITがなぜ中小企業経営において重要なのか」というその背景に関して、中小企業白書2016年版(あなたが今年受験する中小企業経営・政策の出題範囲である)を活用しながらご説明する。



まず中小企業白書2016年版から抜粋した以下のグラフを見て欲しい。

経常利益の推移(規模別)
中小企業白書では、「リーマン・ショック後、経常利益額が最も落ち込んだ2009年の第1-4四半期の平均と、足下の2015年の第1-4四半期の平均を比較すると、中小企業で約2.5兆円、大企業では約6.7兆円、経常利益が増加している」点に触れている。一方で、ここは筆者の私見なのだが、大企業と中小企業の経常利益の差が徐々に拡大している点も非常に気になるところである。




続いて、中小企業白書2016年版に書かれている以下のグラフを見てほしい。

売上高の推移(規模別)
白書にも書かれている通り、このグラフからは、中小企業の売上高は大企業に比べて弱い動きを示していることがわかる。




さて、2016年版中小企業白書では以下の通り、中小企業が「稼ぐ力」を強化するための課題を確認している。その指標として、売上高経常利益率を取り上げている。

中小企業を取り巻く環境




以上の前提を踏まえ、中小企業白書2016年版より抜粋した以下の図を見て欲しい。

業種別に見たIT投資有無と業務実績の関係


この図から明らかになる点は以下の2点である。
①IT投資ありの企業の方がIT投資なしの企業より売上高水準が高い
②IT投資ありの企業の方がIT投資なしの企業より売上高経常利益率水準が高い


以上より、ITは中小企業の稼ぐ力(=売上高経常利益率)に間違いなく影響を与えているということになる。

このように、中小企業白書2016年版を見ても、中小企業経営が稼ぐ力をつける上で、IT投資は極めて重要なファクターとなることがわかる。もしそうであるならば、中小企業診断士はITを駆使ししてクライアント企業の稼ぐ力をつけるための支援ができなければお話にならないということである。これこそが、前回の記事(コチラ)で筆者があなたに対して「あなたがマジなコンサルを目指すのであれば、筆者はあなたにIT嫌いになってほしくないし、経営コンサルティングに大いに活かして経営改革を成し遂げてほしいと思っている。」と伝えた理由である。


それでは、なぜITが中小企業の稼ぐ力にこれほどまでの影響を与えるのか?


この続きは次回にしよう。

今回は経営情報システムの話と言っておきながら、中小企業経営の話のようになってしまった…。次回は筆者のコンサルティング経験・知識に基づいて、ITが中小企業の稼ぐ力に与える要因をご説明しようと思う。極力、経営情報システムの本試験であなたに役立つよう工夫したいと考えている。


マジコン診断士


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【1次試験】ラストスパート戦略 ~経営情報システム

今回の「ラストスパート戦略」は経営情報システム編である。

経営情報システム



■過去10年の統計情報

・最高科目合格率:51.8%(平成25年度)

・最低科目合格率:6.4%(平成27年度)

・平均科目合格率:20.9%(過去10年)
 ※過去3年では10.0%、過去5年では21.5%




■科目特性と留意点

・ITに馴染みのない受験生にとっては、アルファベット3文字の言葉がすべて同じに見えたり、そもそもどのような内容に関して説明しているのかわからない上、暗記量が非常に多いため、苦痛に感じる科目であろう。一方で、ITコンサルタントやシステムエンジニアの仕事をしている人は、ほとんど何も勉強せずとも60点前後は獲得できてしまう。もっとも、以前の記事(コチラ)でも述べたように、他者はあなたの合否に一切関係ないので全く気にする必要はない。なお、上記のIT関連職に従事している人であったとしても、直近2年の難易度になると80点以上を取ることはかなり至難の業であることはもちろん、そうたやすく60点を取ることすらできないだろう。その意味では、直近2年は足切りさえ回避できれば、むしろ得意な受験生とそうでない受験生とで差が付きにくかった科目であったとも解釈できる。
→出題される問題の単元に偏りがなく、比較的まんべんなく出題されている。故に、テキストに記載されている基本論点をまずはしっかり理解・暗記することが重要である。特に情報技術に関する基礎的知識(ハードウェア、ソフトウェア、データベース、ネットワーク(インターネット含む)、セキュリティ対策、システム構成技術、プログラム言語)は苦手な単元がないようバランスよく勉強し、大きな弱点がないよう補強しておきたい。なお、暗記を定着させる上では、一覧表等に整理する、単語カードを利用して記憶する等がベターな方法であろう。ここにあまり近道はない。

・表計算の関数問題が2年連続で出題された(平成28年度 第5問、平成27年度 第5問)。
→2年連続、かつ同じ問題番号での出題ということを考慮すると、出題形式が固定されたと見るのが一般的な見方だろう。本年度も同様の形式の問題が出題される可能性は高いと筆者は見ている。実際の本試験で解けるかどうかは問題の難易度次第ではあるが、少なくとも「どうしたら解答に行き着けるのか?」という解答プロセスは解説をよく読んで確認しておきたい。

・ここ2年間は大幅難化傾向にある厄介な科目であり、警戒レベルを高めておく。
→平成21年度を除き、平成25年度以前は、基本事項をしっかりと勉強していれば確実に60点を超える科目であり、IT関連職種の人でなくても貯金科目になり得た。ところが、ここ2年は大幅に難化している(上記の平均科目合格率を見れば一目瞭然である)。経営法務と同様に本年度の難易度予想は敢えて控えるが、警戒レベルを高めて臨むべき科目であると言える。



■本試験までの勉強のススメ

・過去問を重視しつつも、模試・答練の復習も過去問演習と同じくらいのウェイトで行うこと
→基本は過去問重視でよいので、過去問で出題された論点はしっかり暗記すること。但し、ここ2年の出題を見ると、この科目の試験委員は難易度の上げ方として重箱の隅を突く以外の術を持っていないようであり、もはや実力考査としては体を成さない水準まで出題の質が低下している(筆者主観)。従って、受験生はそのような試験委員の作問レベルの低さに合わせた勉強をせざるを得ないであろう。その意味では、受験校が予想問題として出題している模試や答練の事項もしっかりと暗記しておき、足切リスクを極力回避したい。
なお、難易度が上がった際にはやはりそれに向き合うメンタリティが重要となる。その点に関して以下の記事で触れているので、参考にしてほしい。なお、以下の記事の「雑談(筆者の苦言)」に書かれている”とある科目”の出題とは、もちろん経営情報システムのことである。
「試験で問われること」とは?

・頻出論点かつA、B、Cランクの問題は、過去問のヨコ解きで確かな実力を養成すること。
※ヨコ解きが何かわからない人は、コチラの記事を読んでほしい。

・最新トレンドのIT用語(時事系)にはさらっと目を通しておく。
→クラウドコンピューティング、ビッグデータ、IoT、AIあたりの用語が何か程度はインターネット等を利用して押さえておきたい。セキュリティ関連で言えば、改正個人情報保護法のざっくりした内容やランサムウェアが何か等も確認しておきたい。

・他の科目以上にD、Eランクを深追いしないこと。
→おそらくいたちごっこになる可能性が高い。あなたが細かい論点をいくら一生懸命覚えても、試験委員は違う論点を出してくるはずである。そうであるならば、この科目の細かい論点を追っかける時間は他の伸びしろのある科目に投入しすることで、他の科目で得点を稼いで本科目の失点をカバーする方がベターな戦略である。
※このように出題者の作問レベルが低いと、真面目にITを勉強する気が起きなくなる診断士受験生が増加するという最悪の事態に陥る。これだけITが発達して経営をITと切っても切り離せない経営環境にある中で、唯一の経営コンサルタントの国家試験出題者として、本科目の試験委員はこの最悪の状況を誘発している責任を大いに感じるべきであろう。



■本試験での対応上のポイント

・基本的には暗記しているか否かという出題の割合が多い科目なので、思考して疲労するということはないだろう。集中力の欠如によるケアレスミスだけは注意したい。

・昨年度と同水準の難易度で本年度も来れば、苦手な人にとっては足切りリスクが高い科目である。まずは足切り回避を最優先ミッションとすること。前例に沿った出題方式であれば、配点は1問4点×25問であるため、10問取れば足切りは回避できる。故に、まずは解ける問題から着手して、それが10問を超えているかどうかを確認すること。これをやるだけでかなり精神的には楽になる。



■最後に

筆者がなぜこの科目の試験委員に厳しいのか?

これだけ情報通信技術が発達した現代において、筆者が中小企業のコンサルティングする過程でもIT面での施策は切っても切り離せない経営環境にある。中小企業は資金に限りがあるので、IT投資に対してはナイーブにならざるを得ないが、それでも様々な工夫をこらしてITを活用した経営改革を実現してきた。そのようなリアルな現場でコンサルティングする一経営コンサルタントの立場から見ると、本科目の試験問題を見てみても、診断士に一体ITの何を学んで何をしてほしいのかという思想がさっぱりわからないのである。

あなたがマジなコンサルを目指すのであれば、筆者はあなたにIT嫌いになってほしくないし、経営コンサルティングに大いに活かして経営改革を成し遂げてほしいと思っている。その意味で、経営情報システムを勉強するモチベーションを喪失してほしくないと強く思うのである。この辺の試験問題と経営コンサルのリアルとのギャップに関しては、次回の記事で書きたいと思っている。経営情報システムに対する勉強のモチベーション維持のための一材料として、ご活用いただきたいと思うので、ご期待いただきたい。


マジコン診断士


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【1次試験】ラストスパート戦略 ~経営法務

今回の「ラストスパート戦略」は経営法務編である。

経営法務




■過去10年の統計情報

・最高科目合格率:23.3%(平成23年度)

・最低科目合格率:6.3%(平成28年度)

・平均科目合格率:14.4%(過去10年)
 ※過去3年では9.4%、過去5年では13.5%



■科目特性と留意点

・法律に馴染みのない受験生にとっては、まず言い回りしや用語そのものから苦痛に感じる科目であろう。また、暗記すべき事項が多く、暗記したつもりでもいざ問われると「これ、なんだったっけな~?」みたいなことがよく起こる。
→まず、民法をないがしろにしてはいけないというのが筆者の立場である。民法は一般法であるという特性を鑑みれば、経営法務を学ぶ上での土台として機能するものであるためである。また、暗記を定着させる上では、やはり一覧表等に整理して記憶する事であろう。ここにあまり近道はない。

・平成28年度は問題数20問と少なくなり、1問当たりの配点が5点と大きくなった。
→本年度の出題数が昨年度同様20問なのか25問に戻るのかはわからない。単に難易度を上げる意図であったのであれば本年度は25問に戻るであろうし、より分量の多い文章を読ませたり思考させたりする意図もそこに含まれていたのであれば20問のままであるだろう。いずれにせよ、受験生にとってはネガティブなケース(20問出題で1問当たり配点5点)を想定しておくべきだろう。

・計算問題が2年連続で出題された。
→本年度も計算問題が出題される可能性は高い。

・英文問題が必ず出題される。
→英語の問題と思わない方が良い。書かれている文章は英語だが、その中に必ず解答上のヒントとなるキーワードが隠されている。そのキーワードを引っかけてそのキーワードが書かれていたテキストの論点を思い出した上で、自身の記憶と照らし合わせて解答へ結びつけることがポイント。過去問でそのプロセスをトレースして訓練するとよい。

・ここ3年間は難化傾向にある厄介な科目であり、警戒レベルを高めておく。
→平成25年度以前は、多少の難易度変動こそあれ、基本事項をしっかりと勉強していればそれほど合格に苦労する科目ではなかった。ところが、ここ3年は大幅に難化している(上記の平均科目合格率を見れば一目瞭然である)。本年度の難易度予想は敢えて控える(筆者はこの手の予想は当たるはずがなくムダであるという立場である。試験委員は我々の想像をはるかに超えるほど予想屋との駆け引きに長けている)が、警戒レベルを高めて臨むべき科目であると言える。



■本試験までの勉強のススメ

・基本的な勉強法は以下の記事を読んでほしい。
 【1次試験】経営法務の勉強法<決定版>

・過去問⇔テキストの往復運動を多くこなすこと。
→これは筆者の受験生時代の経験を踏まえた主観なのだが、テキストで理解していたと思っていた事項をいざ過去問で解くと見事に間違うというケースが経営法務は他の科目と比較して多かったように思う。その理由はケース問題への対応力不足である。ケース問題は実務上想定されるケースを例示した上で、そこに法を適用して解答を選択する必要があるため、付け焼刃の丸暗記やうろ覚えの曖昧な知識で挑むと歯が立たないケースが多い。
しかし心配することなかれ。読者も既に経験済みであろうが、この経営法務はケース問題の演習を通じて基礎知識をより盤石にするという逆算型の勉強が非常に有効なのである。つまり、過去問のケース問題の演習と復習を徹底することで、曖昧な知識をより盤石なものにできるということである。故に、ケース問題の演習・復習通じ、テキストに書かれている内容の理解をより盤石にするという目的をしっかり持って勉強することをおススメする。

・頻出論点かつA、B、Cランクの問題は、過去問のヨコ解きで確かな実力を養成すること。
※ヨコ解きが何かわからない人は、コチラの記事を読んでほしい。

・この科目の試験委員は特に「ヤマを張る」ということを非常に嫌がっている印象を受ける。例えば平成27年度は改正会社法が施行された年度だったのだが、本件に絡む問題はそれほど多く出題されず、むしろ知財分野の出題比率の方が高かったくらいである。故に、改正会社法にヤマを張って集中的に勉強し、他の基本論点をおろそかにしていた受験生は非常に厳しい状況に追い込まれたはずである(平成28年度の出題数減少&1問当たり配点UPも、「ヤマを張る」ことに対する試験委員の牽制ではないかと考える筆者は考えすぎだろうか?)。
→あまり苦手分野を作らないような勉強が求められる。その中でも特に、合格点を確保する上では会社法、知財が極めて重要となるので、「ヤマを張る」という考えや発想を基本的に持たず、全体的な理解度底上げを図ることで失点リスクを少なくすることが、合格点確保の近道である。


■本試験での対応上のポイント

・2日目とは言え1科目目の受験なので、前日に睡眠不足等の要因がなければ集中力の欠如や疲労度等を心配する必要はないだろう。

・昨年度と同水準の難易度で本年度も来れば、苦手な人にとっては足切りリスクが高い科目である。まずは足切り回避を最優先ミッションとすること。前例に沿った出題方式であれば、配点は1問4点×25問、もしくは1問5点×20問のはずであるため、10問もしくは8問取れば足切りは回避できる。故に、まずは解ける問題から着手して、それが10問もしくは8問を超えているかどうかを確認すること。これをやるだけでかなり精神的には楽になる。

・時間配分に気を付けること。基本的には簡単に解けそうな問題から着手していくこと。問題の難易度判定基準、解く順序(例えば、単発の知識系問題を先に解く等)を事前にきちんと定めておくこと。


マジコン診断士


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【1次試験】ラストスパート戦略 ~運営管理

今回の「ラストスパート戦略」は運営管理編である。

運営管理




■過去10年の統計情報


・最高科目合格率:29.9%(平成21年度)


・最低科目合格率:10.5%(平成25年度)


・平均科目合格率:17.7%(過去10年)
 ※過去3年では16.7%、過去5年では16.0%



■科目特性と留意点


・製造業に馴染みのない受験生には生産管理は勉強が苦痛に感じる一方、店舗管理はどの人にとっても身近なものなので勉強を楽しくできる科目であろう。
→生産管理は「理解型」と「暗記型」と「計算型」の3パターンの論点・問題に大別される。
「理解型」とは、受注生産と見込生産の違いやセル生産方式の内容やメリット・デメリット等が例として挙げられる。つまり、単に暗記するのではなく、「つまり〇〇ということ」と他人にスラスラと説明できるレベルまで理解が必要なものである。この論点は正誤問題形式で問われることが多い。なお、「理解型」の理解度が不安定だと、2次試験の事例Ⅲで相当苦労するので注意してほしい。

「暗記型」は、IEやQC7つ道具、保全活動の分類等が例として挙げられる。ここはしっかりと暗記して確実に得点を取りたい。

「計算型」は、編成効率や生産スケジューリング、部品構成表の数量等が例として挙げられる。計算問題の勉強法は過去記事「1次試験計算問題の勉強方法」をご確認いただきたい。

「理解型」の論点が弱い人は点数が伸びにくい傾向にあるので、我慢強く理解に努めたい。逆に「暗記型」や「計算型」の問題で失点が多い人は、精度を高めることで一定程度は努力に比例して得点が上がる科目であるため、最後まで諦めずに勉強を進めたい。

店舗管理に関しては、マーチャンダイジングで一部計算問題があるものの、比較的暗記色が強い分野である。しっかりと暗記して安定した得点を取れるように勉強を進めたい。


・年度ごとの難易度変動が少ない。
→難易度変動が非常に少ないため、生産管理に対する過度な苦手意識がなければ、60点前後で得点が安定するはずである。このレベルに達していれば、ひとまずは安心と言えるだろう。但し、80点以上の高得点を取るのは結構難儀であろう。現状の学習水準に応じて、本試験までの期間における時間の投入量を決定すべきである。先ほども述べたが、「暗記型」「計算型」の論点はまだまだ得点を伸ばせる。



■本試験までの勉強のススメ


・過去問演習を通じ、間違った問題の復習を徹底する。
⇒他の科目と同様、過去問演習あるのみである。運営管理は比較的出題パターンが固定化しているので、過去問演習は非常に効果的である。演習を通じて間違った問題について、解説を見てすぐ理解できた問題は、なぜそのようなミスをしたのか、どうすれば本試験で同様のミスをしないのかをきちんと検討し、対策を講じること。


・頻出論点かつA、B、Cランクの問題は、過去問のヨコ解きで確かな実力を養成すること。
※ヨコ解きが何かわからない人は、コチラの記事を読んでほしい。


・出題傾向の変化に注意すること。
⇒運営管理は比較的出題パターンが固定化しているため、過去問演習と復習の効果が比較的高い科目であった。ところが、平成28年度は若干出題傾向に変化が見える。例えば、以下の第8問である。

H28-運営管理_第8問

テキストにストレートに記載されている内容ではない上、過去に類似の出題パターンは見られない問題であることから、設問文を読んで何を求められているかがわからないと思い込んでしまうと、混乱して時間ばかり浪費する事態に陥る。基礎知識を元に冷静に設問文の条件に沿って対応すれば、実はそれほど難易度の高い問題ではない。
解説は読者自身でご確認いただきたいが、「期末在庫量=期首在庫量+受入確定量-所要量」という式をきちんと覚えているという前提の下、設問文の条件「製品 A は調達ロットサイズが 20 単位で、リードタイムは2期である」「n 期の期末に発注したものは、n + 2期の期首に納入される」に着目し、順序立てて冷静に計算して表を埋めていければ、十分対応可能な問題である。

この問題は、重箱の隅をつつくような知識問題ではなく、また現場対応力次第で適切に解答を導出することができるという意味で、筆者としては総合的な力を問う良問であると思っている。ちょっと問題を見て諦めてしまった受験生も多いと思われるので、そこそこ差が付いた問題なのではないかと推測している。

ここからは完全に筆者の推測に基づく私見なので、参考程度に読んでほしい。

昨年度の運営管理は例年と比較して若干難易度が上がったものの、経営法務、経営情報ほどではなかった。だとすると、試験委員としては特段難易度を上げたという意識はなかったという可能性も十分に考えられる。もし仮にその可能性を前提とするならば、出題パターンが固定化されつつあることにより、受験生がいとも簡単に得点を積み上げる状況を試験委員が嫌がっていることが推測される。故に、上記の第8問のような現場対応力が求められる出題を本年度も数問交えてくるのではないかと予想している(仮に筆者が試験委員だとしたら、作問は大変だがこのような問題の出題比率を高めると思う)。このような問題が本試験で出題された場合は、きちんと設問文をしっかりと読み解き、基礎知識を活用しながら冷静かつ諦めずに対処するようにしてほしい。



■本試験での対応上のポイント


・1日目の4科目目の受験なので、疲労度はMAXの状態で受験する科目である。MAXの疲労度の中でどのように集中力・注意力を維持するかを事前に考えておく必要がある。


・平成28年度は計算問題の出題比率が増えた上に、現場対応力が求められる出題もあった。その意味では、試験時間がシビアな科目になりつつある。時間配分には十分気を付けること。基本的には他の科目と同様、簡単に解けそうな問題から着手していくことで、確実に得点を積み上げていきたい。間違っても難しい問題に時間を浪費し、すべての問題を解き終えられなかったという状況に陥らないよう最大限の注意をはらうこと。


マジコン診断士


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