マジなコンサルタントによる中小企業診断士試験対策ブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役の”マジなコンサルタント”が、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルスキルをベースに、独自の分析に基づく極めて有用な情報、世に出ていないテクニック論的な情報を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【1次試験】”経営情報システムが重要科目である”と筆者が考える理由(中編)

前回の記事(コチラ)では、中小企業白書2016年版を用いて、IT投資は中小企業経営が稼ぐ力をつける上で極めて重要なファクターとなることを簡単にご説明した。

今回は中編として、ITが中小企業の稼ぐ力になぜこれほどまで影響を与えるのかについて書こうと思う。



さて、中小企業白書2016年版では、「稼ぐ力」の指標として経常利益率を取り上げている。前回の記事の再掲になるが、以下の通りである。

中小企業を取り巻く環境


上図にも記載されている通り、ITが中小企業の「稼ぐ力」にプラスの影響を与えるためには、「売上拡大」か「費用削減」が必要である(もちろん両方でもよい)。したがって、ITが中小企業の稼ぐ力へ与える影響の要因を特定するためには、「売上拡大」もしくは「費用削減」に対するITの効果を導出すればよいことになる。


それぞれに対して、参考までにベタな例を2例ずつ挙げてみよう。

<売上拡大>
・ECサイトを構築することによる、取引時間の制約の排除や場所の制約を超えた商圏の拡大
→ここはみなさんよくご存じであろう。実店舗を持たずとも製商品を販売できるので、取引時間や場所の制限がないということである。

・CRM(Customer Relationship Management)システムを活用した顧客情報管理の強化
→顧客接点において収集した情報を統合管理するソフトウェア。顧客の年齢、性別、趣味、嗜好などの個人情報や購入・利用履歴、クレーム等の問合せ履歴等のデータを管理する。このようなデータがあれば、RFM分析に基づくDM送付やFSPの推進等が可能になる。

・SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)システムを活用した営業情報管理の強化
→ひょっとしたらテキストに出ていないかもしれないが、一応押さえておいた方がよいと思う。要は、「顧客情報」「活動情報(営業日報)」「商談情報」をデータベースで管理することで、営業管理職(部長や課長)がそれらの情報に基づいて営業マンの活動をサポートするためのソフトウェアである。情報がデータベースで統合管理されるので、顧客への訪問件数、営業案件の件数や商談情報に基づく売上見込の管理の集計・レポーティングが容易になるというメリットもある。
※「おいおい、今でさえアルファベット3文字に悩まされているのにさらに増やすのか!」と怒りを覚えたあなた。経営情報システムを勉強しながら気づいているとは思うが、アルファベット3文字は略語ではない英語で覚えておくと記憶に残りやすい
CRMであれば、Customer(=顧客)、Relationship(=関係性)、Management(=管理)、つまり「顧客関係性を管理する概念」と覚えておけばよい。SFAであれば、Sales(=営業) force(=力) Automation(=オートメーション)、つまり「営業力強化をオートメーション化しようみたいな概念」と覚えておけばよい。このように覚えることで、いざ出題されたときもさらっと答えられるはずである。テキストに載っている例で言えば、例えば記憶素子でEPROMとEEPROMが紛らわしいする。その時に後者は”E”が1つ多い理由を見てみると、この”E”がElectrically=電気的を指すことがわかる。なので、後者はEが1つ多いから電気的にデータ消去、前者は紫外線でデータ消去すると覚えておけばよい。



<費用削減>
・業務オペレーションの効率化による時間外労働時間削減(人件費(≒残業代)削減)
→ここ分かりやすいだろう。要は手作業で行っていた業務を自動化すれば、その分業務時間は短縮されるので、時間外労働時間が削減されるということである。なぜ”時間外時間”とわざわざ筆者が書いているかというと、作業がなくなったからといって社員を辞めさせることはできず(不当解雇に該当する)、いくら業務が効率化されても時間内労働に伴って発生する賃金は固定費として残り続けるためである。
※ここを勘違いして投資対効果を算出しているシステム屋さんが非常に多い。

・原価管理の強化による製造原価削減
→財務・会計に関わる論点である。財務・会計のテキストで原価計算の方法を勉強していると思うが、そもそも、材料費・労務費・経費の情報と在庫の受払情報を製品別(製造指図別)に把握できなければ、原価計算自体を行うことはできない。中小企業の場合、表計算ソフトで原価計算をしている企業が多いので、業務が属人化したり(要はその人がいなくなったら誰も代わりができない)、原価計算業務が非効率になっている点は知っておいてもよいだろう。

上記は一例であるが、IT活用により実現する「売上拡大」「費用削減」のイメージはこのような感じである。



さて、ここらで少しIoTの話をしておこうと思う。

なぜいきなりIoTなのかというと、「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」においても、「第四次産業革命に向けてIoT等の活用や経営力向上に資する革新的ものづくり・商業・サービスの開発を支援」と書かれているので、出題されてもおかしくないと筆者が勝手に思っているからである。まあ、筆者が経営情報システムの試験委員の思想を全く理解できない時点で、実際に当たる確率は極めて低いとも思うわけだが…(笑)。


IoTとはInternet Of Thingsの略で「モノのインターネット」と呼ばれる。簡単に言うと、「ありとあらゆるモノ」がインターネットにつながることを言う。つまり、これまでインターネットにつながるモノはパソコンやスマートデバイス中心であったが、IoTではそれに限定されず、それこそ冷蔵庫や洗濯機、車もインターネットにつながる世界のことである。IoTと聞くと「難しそうだな」と感じる人もいるかもしれないが、単に「モノがなんでもインターネットにつながるよ」と言っているだけであり、非常にシンプルな話なのである。

それでは、IoTが中小企業の経営にどのようなインパクトを与えるか、中小企業の経営改革事例をもとにイメージをより持っていただこう。

以下は中小企業庁が平成28年11月14日に出した資料からの抜粋である。
製造・サービス分野のIoT・データ活用事例


上記資料のリンクはコチラであるが、1次試験を目前に控えた読者は中身を見ている暇などないだろう。なので、今回は筆者がざっくりと要約する。


◆生産設備の稼働情報の見える化による生産管理(武州工業株式会社)
・スマートフォンなどの端末に内蔵されている加速度センサーを通じてデータ収集し、作業状況を見える化
・生産用機械の摺動部装着した端末を通じてデータ収集し、生産性を見える化
→つまり、生産用機械にセンサーとなる端末を取り付けてデータ収集し、生産設備の稼働情報の見える化をしたということ。生産設備の稼働情報が見える化すれば、生産管理は強化される。

◆作業環境情報を収集・分析できる製品(金型)の開発(株式会社岐阜多田精機)
金型内にセンサーを埋め込み、成形時の温度や振動、圧力等のデータを計測しうるスマート金型の開発により、成型の品質や信頼性を向上
→つまり、製品である金型そのものにセンサーを埋め込むことで情報収集し、製品品質を高める取り組みを始めたということである。

◆機器の稼働情報の遠隔監視によるメンテナンス機能強化(株式会社オー・ド・ヴィ)
スーパーマーケット等に設置する自動販売機にモジュールを取り付け、機器の稼働状況を遠隔監視し、自動販売機の稼働率上昇や顧客満足度の向上、メンテナンスの省力化
→IoTを活用した稼働状況の遠隔監視により、自動販売機の稼働率が上がれば販売機会損失の防止やCS向上ができるし、メンテナンスに係る負荷も減って業務効率化が図れるということである。

◆受注情報、生産管理情報の共有による連携受注体制の構築(株式会社今野製作所/株式会社西川精機製作所/株式会社エー・アイ・エス)
①見積もり及び受発注データを管理出来るシステムを連携企業と共有化、②生産管理システムにより連携企業間で工程進捗把握、③顧客用Webポータルサイトを通じた問い合わせ対応、図面データ授受、見積もり履歴記録等を実施
→中小企業間で受注情報を共有し、連携生産。繁閑格差を平準化 を目指したということ。IoTと言われると?なのだが、2次試験の事例Ⅲで今にも出題されそうな内容である。経営資源の制約がシビアな中小企業にとって、それをカバーするための外部組織との連携は非常に重要である。その意味では、なぜIoTの事例として取り上げられているのかが筆者にはわからないが、すくなくとも中小企業におけるIT活用の好事例と言えるだろう。

◆顧客の製品利用情報の収集による新商品の提案(まくら株式会社)
枕に内蔵した端末を使い、就寝時間、起床時間、寝返りの回数といった睡眠情報を活用し、データに基づいた商品の提案を行うなど、革新的なサービスを立ち上げ、枕販売の事業を拡大
→IoTを活用したデータ収集により他社と販売面で差別化したということである。この取り組みは顧客の囲い込みにつながり、他社へのスイッチングコストを高める効果があるだろう。

◆顧客情報のスタッフ間共有による顧客に応じたサービスの提供(株式会社陣屋 )
センサを導入し、共用風呂の入浴者数を測定した清掃頻度の最適化、顧客の行動を予想してレストランでの待機することなど、顧客の好む環境を再現し提供している
→IoTを活用し、顧客満足度の向上を図っているということである。

◆園児の生体情報の自動チェック等による保育士の業務支援(株式会社陣屋 )
経験の浅い保育士でも園児を安全に見守ることができる保育園向け業務支援を、スマートフォン/センサー/ロボット等のテクノロジーを駆使することで実現。
→具体的なものかは本資料だけではわからないが、かなり進んだ取り組みのようにも思える。要は、従業員の経験の浅さをテクノロジーでサポートしているということであろう。

◆従業員の動線等情報の分析による人材育成・業務効率化(がんこフードサービス株式会社/産業技術総合研究所)
屋内測位端末を通じて従業員の「立つ」、「座る」、「加速」、「減速」などを記録し、生産性が高い従業員とそうでない従業員の作業の差の違いを認識して、人材育成に活用。また、時間帯ごとの作業負荷を調査し、業務の運営が混乱しやすい時間帯を特定し、運営の方法改善している。
→IoTにより、従業員の生産性向上や店舗運営管理の強化を図っているということである。



どうだろうか?

ここで筆者の経験に基づいて一言。

これは中小企業に限らないことなのだが、「ITを単なる事務処理効率によるコスト削減の手段」と考えている経営者が非常に多い(もっと言えば、中小企業診断士にも多い)。上記の例を見ていただければおわかりいただけるが、ITは単なる自動化によるコスト削減のみに目的が限定されるわけではない。もしあなたがこのような考え方をしているのであれば、ITに対する考え方を180度転換するべきである。
上記の事例企業を見ていただけるとわかるが、ITを活用して抜本的な経営改革を実現している。もちろんITは事務処理効率の手段としての側面もあるが、あなたがマジなコンサル診断士を目指すのであれば、それ以上に製商品やサービスの高付加価値化による他社との差別化という点を意識してほしいのである。


今回の内容は以上である。

これだけの中小企業におけるIoT活用事例を見た受験生は、実務で行っている人を除けば、きっと本ブログの読者くらいである。経営情報システムで万一IoTが出題されたとしても、きっとあなたは大丈夫だろう。
※筆者の私見だが、上記のような素晴らしい事例があるのだから、経営情報システムの試験委員はこのような事例に基づく正誤問題を出題してもよいのではないか?と思う。


さて、本連載も次回で終了である。


次回は、IoTとその他の最新のIT技術の全体像をご説明しようと思う。診断士試験の試験委員は比較的時事ネタが好きなので、そのための対策になればと思う。
※このような試験直前期にも関わらず、今回のような一見して試験に直結しなそうに見え(実際はそうではないと筆者は思っているのだが…)、かつここまで長い記事を最後まで読んだあなたは、きっとマジなコンサル診断士の予備軍だと思う。


マジコン診断士


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現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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