マジなコンサルタントによる中小企業診断士試験対策ブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役の”マジなコンサルタント”が、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルスキルをベースに、独自の分析に基づく極めて有用な情報、世に出ていないテクニック論的な情報を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

中小企業診断士に求められる基本能力とは?(14)

「中小企業診断士に求められる基本能力」連載の14回目である。

本連載に係る前回の記事(コチラ)では、「登録養成課程を実施するためのカリキュラム等の標準モデル(以下、標準モデル)」に記載されている「中小企業診断士に求められる基本能力」の内、「戦略的思考力(問題発見・解決力)」、その中でも以下の桃色枠内の「構想力」について書いた。そして「構想力」の説明に当たり、平成24年の事例Ⅱの第4問を題材に具体的な2次対策の話を進めた。前回の記事(コチラ)では、設問文のリンクワード→与件文の該当箇所探す→与件文の該当箇所から「与件文のサーフィン」をするということまでお伝えした。今回はその続きである。
中小企業診断士に求められる基本能力とは?(11)


さて、答案作成に必要な情報を入手できたので、いよいよ答案の方向性を検討することになる。ここで、もう一度設問文を確認してみよう。

第4問(配点 30 点)
地域における企業ブランドの強化に向けて有効と考えられる B 社のマーケティング・アクションを2つ提案し、それぞれについて 80 字以内で答えよ。ただし、そのアクションの実行により期待される効果についても併せて述べること。


題意は「マーケティング・アクションの提案」と「そのアクションの実行により期待される効果」の2点であるが、その2点でどちらがより合格答案を作成する上で肝になるかと言えば、もちろん「マーケティング・アクション」の方である。なぜならば、「マーケティング・アクション」自体を正確に定めることができなければ、効果を考えることなどできないためである。もっと言えば、あなたが「マーケティング・アクション」を解釈し間違えれば、結果的にその効果も的外れなものとなるため、そのような答案に点数が入ることはないということになる。

とは言え、「マーケティング・アクション」というワードは辞書に乗っているような一般的な言葉ではないため、ここは自身で考える必要がある。「マーケティング・アクション」というワードそのものから考えられる要件は以下の2つであると筆者は考えている。

①マーケティング戦略を踏まえたものである
②実行レベルのものである

①については、本設問の題意である「マーケティング・アクション」のアクションは、あくまで「マーケティング」の範囲内である必要がある。その意味で言えば、マーケティング戦略を踏まえる、すなわち「マーケティング・ミックス(4P)の観点」からアクションを検討するべきと解釈できるだろう。②については、文字通りである。「アクション」の意味は「動作・行動」なので、「B社が実行できるような具体性が必要」と解釈できるだろう。

もしあなたの答案が上記でお示しした2つの要件の枠内に収まっていれば、「題意を外さない」と言う第一関門において、あなたの答案が試験委員が想定できる範囲に収まっている可能性が高い。つまり、採点に足る答案であるということである。



続いて内容面を考えていく。与件文に記載のあったヒントは、以下の文であった。

(13段落抜粋)
 この課題に対して、5 代目にあたる社長を中心に様々な試みが繰り返されている。社長は、地域に根ざした企業ブランドの強化を目指して、地元 X 市にフォーカスしたマーケティングを開始しつつある。4 代目の会長が行った提携を通じた全国や県内への展開が一巡したことを勘案し、もう一度地元の X 市の消費者との関係強化を図るべきだ、というのがその理由である。


(2段落)
 なお、X 市の主な産業は畜産業、酒造業、陶器製造業などである。2000 年代に入り大規模な陶器工場が撤退するなどの影響もあり、経済的にはやや縮小傾向にあり、それに伴って市内人口も減少傾向にある。



以上の与件文からわかることは、以下2点である。

①(13段落より)B社の企業ブランドの強化に向けてのマーケティングのターゲットは、X市の消費者である。
②(2段落より)X 市の主な産業は畜産業、酒造業、陶器製造業であることから、B社とこの3つの産業を絡めたマーケティングアクションを定めることで、与件文に基づいた説得力ある答案を作成できる。



以上の「題意の面」と「内容の面」双方の観点から答案の方向性まとめると、以下の図のようになる。
平成24年度事例Ⅱ 第4問:マーケティング・アクション



本記事で取り上げた平成24年度事例Ⅱの第4問は、書こうと思えば何でも書けてしまう設問である。しかり上図を見ていただけるとお分かりの通り、設問文と与件文をしっかり踏まえると、本設問の答案は一定の範囲内に収めなければいけないことがわかるだろう。この図で筆者が示したいのは、「構想力」を問われるような一見なんでも書けてしまいそうに思える設問であったとしても、正しい手順を踏まえることで、一定の枠内に答案を収めることができるということである。本設問の例で言えば、ターゲット(=X市の消費者)を定めた上で、「1次知識(=マーケティング・ミックス)の活用」と「与件文の事実(=X市の産業)を踏まえる」ことで、採点官から妥当性があると評価される可能性の高い答案を作成できるということになる。この観点は、あなたが診断士2次試験で合格答案を作成する上での出発点となるものである。その意味で言えば、極めて重要な事項であろう。


なお、本設問では「畜産業×B社の酒」「陶器製造業×B社の酒」を製品戦略を主軸に、制限字数の範囲でどこまで他のマーケティングミックスを加味しながら答案に盛り込めるかが主論点となることだろう(もちろん、B社が他のX市内酒造業と連携するような方向性でもよい)。
※このような「2つ以上の要素を組み合わせて構想力・提案力を問う問題」は、事例Ⅱで出題されやすいパターンの1つである。平成27年度事例Ⅱの第2問も類似の出題である。新連携や農商工連携等は中小企業政策でも重要な論点なので、そのための構想力・提案力を試したいということなのだろう。


もう1点だけ補足である。上図をよく見ると、マーケティング・アクション欄の「与件文の事実」に「売上から一定額寄付」と書かれている。本件についてはこれまで本記事で説明していない内容である。この内容は13段落に書かれている以下の部分を指している。

(13段落抜粋)
特に X 市の大きな課題の1つは、2000 年代中頃に洪水により大規模な被害を受けたある商店街の復興にあった。水害の後も、堤防を増強する公共工事が行われ、当該商店街の一部店舗が移転を求められるなどの影響が続いている。しかし、ほとんどの商店主は、商店街の衰退が買物難民の発生や周辺地域の衰退につながると考えて、廃業せず、新たに商店街を盛り上げるべく努力を重ねていた。B 社はこの商店街の復興を自社課題の1つとし、X 市内向け製品の売上から一定額を、商工会議所が主催する商店街のイベント会場で実施されるお祭りなどのイベント事業、新たに商店街に店舗を出店しようとする店主達に対する新規出店支援事業に寄付している。


上記与件文は、実は第3問で利用するメイン部分なのだが、筆者の私見では第4問で利用できなくもないと考えている。というのも、上記の寄付はB社が既にやっていることなので、マーケティング戦略の観点で言えば、それやっていること自体をX消費者に知ってもらう「販促活動」に活用できるからである。筆者が検討した限り、この方向性の答案をNGとする根拠はどこにも見当たらないので、この方向性でもOKだと思われる。
※「畜産業×B社の酒」「陶器製造業×B社の酒」を製品戦略を主軸にするという答案の方向性は極めて類似しているため、これをベースに2つの解答を書いてしまうと効果が書きにくい場合もあるかもしれない(極端に言えば、2つの答案は”畜産業”と”陶器製造業”という要素だけが異なり、効果を含めた残りの解答要素が全く同じになってしまうこと可能性がある)。それを回避する方法の1つとして、「畜産業」or「陶器製造業」で1つ目の答案、「寄付」で2つ目の答案の方がスッキリすると言えばスッキリする。尤も、いずれの答案であっても合格点は確保できるものと推測している。


本記事は過去問の解答・解説することを主目的としているわけではないので、本テーマに関してはこの辺で終わりにしたいと思う。

「構想力」だけで4回も連載してしまったが、あなたもよくご存じのように、この4回の連載において、筆者は決して「構想力」のみにフォーカスしてお伝えしたわけではない。その過程では一部読解力に関わる内容(本当に触り程度だが…)もお伝えしたつもりである。あなたにもお役立ちできる部分が少しでもあれば幸いである。


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現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
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