マジなコンサルタントによる中小企業診断士試験対策ブログ

【このブログの説明】
このブログでは、複数社のコンサルティングファームを渡り歩いた現役の”マジなコンサルタント”が、中小企業診断士試験合格に向けたベスト戦略を発信していく。コンサルティング経験に基づく本質的なコンサルスキルをベースに、独自の分析に基づく極めて有用な情報、世に出ていないテクニック論的な情報を公開していく。 読者が真の経営コンサルタントとして活躍できるような一石を世に投じられること、これを私の日々の目標とし、筆者自身もこのブログとともに成長していきたい。

【2次試験】マジコンの事例Ⅳ講評(後編)

前回の記事(コチラ)に続き、今回も平成29年度2次試験の事例Ⅳの講評をしていきたいと思う。

今回もまずは前提条件の確認から入る。

【前提条件】

受験生のリアルを筆者自身が体感するために、筆者自身が制限時間80分間で解答したものをベースにお伝えしていく。なので、精度はあくまで上記制限時間の範囲で筆者が認識した水準のものであり、現時点では誤りを含んでいる可能性があるという点は前提としてご認識いただきたい。
※ガチ解答例は後日時間無制限で作成するつもりなので、後になって筆者の解釈は変わる可能性がある点はご容赦いただきたい。


なお、既に受験校より解答例が公表されているはずなので、ここで敢えて筆者が80分で解いた計算結果を示すことはナンセンスだろう。なので、前回同様、本記事では各設問を解いた際の筆者の感触や記述問題に関して筆者が考えた答案の方向性を中心に書いていく。


【第3問】
(設問1)
前回の記事で説明した通り、筆者は第1問→第4問→第2問→第3問の順に解いているので、第3問を最後に解いていたことになる。時間を覚えていなかったものの、それなりに残していた記憶があるので、何とか解き切ろうとトライした。
しかし、やはり取替投資の問題は難しい。丁寧に計算したつもりであるが、恐らく全部を正解出来ている可能性は果てしなく0に近いだろう。本記事を書いている時点で、まだ受験校の解答例を見ていないので正解かどうかはわからないが、少なくともX1年度末の差額キャッシュフローに関連する解答の全問正解はないと自分でも思っている。80分の制限時間において他の設問もある中で、この設問で完璧な解答を算出するのは相当厳しい。少なくとも、現時点の筆者の実力ではキツイ。
但し仮にそうだとしても、それはこの設問1のすべての解答欄を埋められないということを意味するわけではない。除却損を考慮する必要があるX1年度末の差額キャッシュフローの完答は確かに厳しいが、除却損を考慮する必要がないX1年度初めの差額キャッシュフローとX2年度末~X5年度末の差額キャッシュフローは比較的取り組みやすい。つまり、筆者がここで最も強調したいのは、早々にこの問題全部を諦めてしまったか、本設問にかじりついてなんとかして一部の解答欄を埋めようとして結果的に一部でも解答を当てられたかはひとつのポイントになる可能性があるということである。もちろん、筆者は後者のスタンスで本設問に臨んだ。

(設問2)
設備投資の判定指標を書いた上で、それを計算せよという問題。判定指標に関しては、安全性は回収期間(要は回収期間が短い方が安全という考えに基づく)、収益性は正味現在価値(複利現価係数も提示されてるし…)を筆者は選択した。計算結果に関しては設問1と連動しているので、自分でも絶望的であろうことはわかっている。そんな状態なので一応計算したものを算出し検算もせずに終わり。筆者の計算ではNPVが+になったので、案を採用という形になった。案に関しても、採用か不採用の2択なので、わからなかったとしてもとりあえずどちらかにつけておいて当ればラッキーという対応となるだろう。


【第4問】
アカウンティング的な内容で、しかも連結会計の記述問題が3問も配点28点で出題されたことに驚いた。
あなたもよくご存じの通り、1次試験の財務・会計ではアカウンティングの論点がそれなりに出題されるので、診断士試験の出題範囲であることにはある。しかし2次試験の事例Ⅳに関しては、比較的ファイナンス寄りの出題がこれまで多かった。もちろん、1次の財務・会計でアカウンティングが難易度調整に利用されていることを筆者は知っている(つまり、難易度を上げたければアカウンティングの難しい問題を増やせばよい)ので、2次事例Ⅳでのその可能性が0だとは全く思っていなかった。しかし、筆者は連結会計に関しては出題を想定してなかった。なぜなら、中小企業の事例としては出題しにくい論点だと思っていたからである。一般的な中小企業にはこの連結財務諸表の作成義務はない。実際、筆者がコンサルティングした”中小企業”で連結財務諸表を作成している企業は1社もなかった(もちろん、かつてコンサルティングを担当していた大手上場企業はすべて連結決算だったが…)。長くなったが、結論を言えば「裏を書かれたな」ということである。

ここらで本題に入るが、予めご了承いただきたいことがある。過去記事「【1次試験】財務・会計のちょっとした雑談 ~ずぶの素人でも会計コンサルになれた」でも書いたが、筆者は実はアカウンティング(企業会計)系コンサルタントからキャリアをスタートしている。現在は会計コンサルとしてではなく経営コンサルとして飯を食っているので、当時ほど最新の会計基準には詳しくはないものの、多少なりともその時の貯金がある。つまり、ファイナンスに関しては鍛錬を積んでいるあなたの方が筆者より現時点の実力は上だろうが、この第4問に関してだけ言えば、一般的な診断士受験生と比較して若干ではあるが筆者にアドバンテージがあるということになるかもしれない。恐らく、通常の受験校の診断士講座や参考書で学習している受験生にとって、この第4問は相当厳しい設問になったのではないかと推測している。なのでそのような診断士受験生の状況をできる限り踏まえて、慎重に記事を書いていこうと思う。

(設問1)
この問題はかなり厳しい。与件文①段落の「同社は、80%の株式を保有する子会社であるD-a社とともに…」と損益計算書の「非支配株主損益16百万円」を踏まえ、「16百万円は株式20%分の子会社の利益だから、その80%分である64百万円(=16百万円÷20%×80%)がD社の連結当期純利益に加算されている」ことに気づけという問題のようである。ここに気づければ、D社単体決算では赤字であることがわかる。簿記1級保有者(今後は2級でも連結が出題されるようである)や公認会計士、税理士(実は税理士の多くが連結会計が苦手なのだが…)、連結をバリバリやっている経理関係の仕事をしている受験生であれば瞬殺、そうでない受験生の多くは恐らく対応は難しいだろう。前提知識なしで、与件文と財務諸表を読んでこの問題を独力で解決しろというのはハッキリ言って無理だと筆者は思う。あとは題意が「当年度の損益状況を説明せよ」なので、黒字か赤字かを当てずっぽうで書くという対応になると思われる。ここはほとんどの受験生ができていないはずなので、部分点がもらえるように何か書いておいてほしいというだけである。

(設問2)
この問題も対応が難しい。基本的には多くの受験生がうまく対応できなかったと思われるが、ひょっとすると与件文を見ながら何とかなったという受験生も少しはいるかもしれないという問題である。
子会社化すると全部連結する必要があるので、P/LもB/Sも合算される。それではD-b社を全部連結したらどんな影響がありそうか与件文に目を飛ばすと、④段落に「銀行からの融資12億円を事業資金として…」という文章が目に入る。「12億円!」という融資規模にも驚きだが、子会社化するとこの債務も含めてD社の連結財務諸表に全部連結されてしまうので…、ということである。「自己資本比率の低下(負債比率の増加)で安全性が低下」みたいな方向性で書けばよいのだろう。

(設問3)
題意は「関連会社を子会社化することによる経営上の影響」である。制約条件として、「財務指標への影響以外で」と書かれているので、財務指標に関わらない影響を書く必要がある。
解答の方向性としては、「支配力が高まる」ということを起点に、設問に書かれている通り「あなたが重要であると考えること」を書けばよいのではないだろうか。ここは一般論で正しいことを書けば得点が来るはずである。この設問は、経営法務の知識やご自身の会社の内容を踏まえれば、何かしら書けるのではないだろうか?ここは知識・経験をフル動員して書いてほしい設問である。ここも正答を特定して当てることは難しいが、何かしら書くことができるはずである。自分なりに必至に書いた受験生には、一定程度の点数が入ると推測する。


<総評>
正直に言おう。実は筆者は、事例Ⅳの試験委員は比較的難易度が低~中水準で安定させるのではないか?と予想していた。というのも、あまりに問題の難易度を高めすぎると、それはそれで問題が多いからである。しかしその点に確証が持てなかったので、本ブログでも有料コンテンツでもそれを発信することを慎んでいた。本年度の難易度を見ると、その判断は正しかったと思っている。ハッキリ言って、本年度の事例Ⅳは相当に厳しい問題である。過去の出題でも最高難度の部類に入るであろう。事例Ⅳの挑み方・向き合い方に関しては筆者も少し戦略を練り、またどこかで発信しようと考えている。

さて、ここまで難易度を上げてきた事例Ⅳであるが、もし仮に本年度が昨年度と同程度の合格率を想定しているのであれば、調整をかけないとターゲットとする合格率を出すことは難しいはずである。なので、あなたの手応えと実際の結果は変わってくるだろうと推測している。
※筆者の有料コンテンツ「2次試験事例Ⅳで60点以上を奪取するための戦略的学習ガイド」を読まれた読者は、筆者のお伝えした通りご対応いただけただろうか?本コンテンツの内容を踏まえ、1人でも多くの受験生が60点を奪取していることを強く願っている。




「本記事が参考になった」という方「次回の記事に期待している」という方は、お手数だが以下をポチっとお願いしたい。
         ↓
にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ
にほんブログ村



マジコン診断士


【マジなコンサルタントの中小企業診断士情報】
Twitter
執筆(note)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

マジなコンサル診断士

Author:マジなコンサル診断士
現役コンサルタント。中小企業診断士試験独学ストレート1発合格。モットーは卓越した本質的スキル・知恵に基づく”マジなコンサル診断士”であり続けること。
■Twitter→コチラ
■執筆(note)→コチラ

本ブログの意義
本ブログの意義
本ブログのターゲットとなる読者層
ターゲット
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
ブログ村ランキング
最新コメント
リンク
ブログランキング(今何位?)
にほんブログ村 資格ブログ 中小企業診断士試験へ
にほんブログ村
検索フォーム
マジなコンサル診断士のTwitter
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR